相手の愛が不安な女性　Kさん・30代

 

　『私は男運がないんです』

 

　最初にＫさんの口から出たのがこの言葉でした。

　お顔立ちもきれいに整ったお嬢さんですし、ご挨拶もきちんと出来る方でした。
　しかし、お話を聴いて行くうちにこれまでのいくつかの恋愛経験に共通するものが

　見えて来ました。
　彼女は、ついつい相手に合わせ自分の気持ちを抑えて我慢をしてしまうのです。

　当時お付き合いをしている彼と　なかなか連絡が取れないことを悩んでのご相談

　でしたので　私が、直に彼と会うことをご提案し、３人で面談をすることにしました。

　彼は、最初どうして自分がメンターに会わなくてはいけないのか・・・と強く抵抗されて

　ありましたが、直に　私と電話を代わってもらい　ひどく悩んであるＫさんのお気持ちを

　正直にお伝えしたところ『１度だけなら』と言うお約束で、３人で会うことが出来ました。

 

　面談の際、事前にお二人には、いくつかのテーマでアンケートを行っておきます。
　それをもとに『お二人の今』を検証して行くのです。

　目の前で意見の対立がいくつかありましたが、最終的にＫさんが彼の意見に従います。
　しかし、彼は面白くなさそうな顔をしています。

 

　『今、意見がまとまったようだけど・・・あなたはどうして不満げな顔をしているの？』

　と、彼に尋ねました。

 

　すると・・・彼はこう言いました。

 

 

　『Ｋは、いつも僕に合わせようとするんです。最初は、控えめな女性なんだなって思って

　いたんですが・・・僕を怒らせないために　表向きだけ合わせている感じで、だんだんバカに

　されているような気がして来て・・・一緒にいるとイラッとして…。』

 

 

　その話を聞いて、彼女は肩を震わせ　シクシク泣き始めました。

 

　私は彼女に言いました。

　『その涙を　言葉にしてくれますか？きっと、言葉に出来るはずですよ。あなたの今の涙は

　一生懸命、あなたの言葉の代わりをしていますよ。』

 

　すると、彼女は泣きじゃくりながら　やっとひとこと言えました。

 

　『あなたに嫌われたくないからだよ。』

 

　私は、おふたりに言いました。

　『相手に合わせたいと思うのは、愛です。そして　たとえ意見が違っても　この人となら

　必ず分かり合える・・・と、相手を信頼することも愛なんですよ。』

　その後、このおふたりは『ハートウォーミングセミナー』にそろって参加され、１年後に

　めでたくご結婚されました。とても嬉しいことに　結婚式にもお招きを受けました。
　現在、可愛いお子様と３人でお幸せにお暮らしです。